投資詐欺の概要
会社 バーナード・L・マドフ・インヴェストメント・セキュリティーズLLC
代表取締役 バーナード・L・マドフ氏
内容 出資金詐欺
開始 1980年頃
崩壊 2008年
会員者数 少なくとも数千人
被害額 650億ドル(当時のレートで約6兆円)
史上最大級の詐欺事件
バーナード・L・マドフ氏は、アメリカの実業家です。
アメリカにある、世界最大の新興企業(ベンチャー)向け株式市場のナスダック(NASDAQ)
の元会長でもあり、社会的地位の高い人物でした。
2008年のサブプライムローン危機で、投資家からお金の払い戻しを求められたが、
その現金の確保ができず、詐欺の罪でFBIに逮捕されました。
年10%の高配当を宣伝し資金を集めていましたが、実際には運用されず、
集まった資金は、その後に参加した投資家の配当へと充てられていました。
いわゆるポンジースキームでしたが、実に30年近くもの間、続いていたことが驚きです。
だまされたプロ達
映画監督のスティーブン・スピルバーグ氏などセレブ達に加え、金融のプロ達もだまされていました。
イギリス最大の銀行である、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド、フランス最大の
BNPバリパ銀行、日本ではあおぞら銀行、三井住友生命、あいおい生命などなど・・・
いわゆる金融機関のプロ達がだまされていました。
プロ達は、実はアホだったのか!? 私はそうは思いません。
世界で最も頭が良いとされる、ハーバード大学の基金がありますが、その直近5年間の
運用成績は、平均年11.6%でした。
マドフ氏のファンドに投資した時の年利は10%ですから、ありうる数字なわけでした。
また、マドフ氏自身が信用できる人物であること、30年近くの歴史があるファンドであることから
投資してしまうのも致し方ないかと思います。
マドフ事件からの教訓
マドフ事件から、あえて教訓を出すとしたら、透明性が低かったこと だと思います。
通常、ファンドは外部に委託して資金を運用し、第三者機関の監査を受けます。
しかし、マドフ氏のファンドは、内部で資金を運用しており、監査を受けていませんでした。
唯一、この点を心配し、投資をしないと判断した人は、大手金融機関よりはるかに
賢い人なんだと思います。
ただ、、、繰り返しになりますが、大手金融機関もだまされたこの事件について、
我々一般の市民が見抜くことは非常に難しいと考えます。
5年以上続くファンドでも、危ないものはある ということが教訓だと思います。